2018年8月25日、「マンション管理新聞 (第1080号)」に三和アルミが掲載されました。

非構造壁(雑壁)補強で「住み続けられる」建物へ
玄関ドアの耐震化に加え方立壁や袖壁付き柱の耐震補強を実現へ!!
 

旧耐震(1981年以前)の建物の補強工事の必要性が強く叫ばれている一方で、新耐震建物の非構造壁(雑壁)の補強問題が注目を集めている。先の熊本地震では多くのマンションが被災した。左の写真は新耐震基準で建設されたマンションの被災写真だ。非構造壁(雑壁)の破損が激しく、玄関ドアも開閉不能だ。


確かに、新耐震基準により柱や梁の構造体は無事だったが、住める状況にはない。この非構造壁被害こそ、新耐震建物の課題だ。この課題に真正面に取り組んでいるのが、三和アルミ工業グループの三和テクノス(本社東京)だ。
アルミ建築金物製作を足掛かりにマンションの大規模修繕・耐震改修へと発展してきた同社では、新耐震建物の課題だった玄関ドアを含めた非構造壁の耐震補強を呼び掛ける。既にマンションの袖壁付き柱の耐震補強は財団法人日本建築防災協会から技術評価を取得した「サイド・ポ・スト工法」で実績を重ねており、東京・町田の大型団地でも採用され、近く着工される。


同工法は、「PMG-SWR工法研究会」が実用化したのもで、袖壁付き柱に組立鉄筋(Aタイプ)を特殊ポリマーセメントモルタルを用いて、左官工により、こて塗り付けして柱の耐力を上げるもので、“塗って耐震”と呼称される耐震工法だ。室内に入らずに外部から住まいながらの施工が可能となった。同工法に加えて、方立壁と呼ばれる非構造壁の耐震補強工法も同社は手掛ける。同工法は「PMG-SWR工法研究会」が開発を進め、年度内に技術評価申請を実施、来年度早々には技術評価取得見込みの耐震補強技術だ。


袖壁付きの耐震補強と同じく、組立鉄筋と特殊ポリマーセメントモルタルを一体化させて雑壁を補強する技術で、室内に入らずに外部から住まいながらの施工が可能となり、スリットに代わる新しい技術として大地震時の非構造壁の損傷低減が可能に。
同社では「地震から生命を守る備えでは不十分と考え、生命と財産を守る構えが必要」という思いから、避難口となる玄関ドアの耐力化改修に加え、ドア横の方立壁、そして袖壁付きの柱のいわゆる非構造壁を耐震補強することで、新耐震マンションの「地震が来ても住み続けられる」建物ストックに向上させたい、としている。


首都圏に直下型地震がいつ来てもおかしくない昨今なだけに、1回目の大規模修繕工事時から同提案を実施していく計画だ。